用語集
プリント基板に関連する用語を、五十音別で分類しています。
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基板実装の外注 — 依頼時の伝え方と整理術
読み仮名: きばんじっそうのがいちゅう / 英語: PCB Assembly Outsourcing
基板実装の見積依頼は、渡すものが揃っているかどうかで進む速さが決まります。実装側が知りたいことは昔から変わらず、「何を・どの基板に・いくつ載せるか」の3点です。最初に結論の早見表を置きます。
結論の早見表 — 実装依頼で渡す3点セット
| 渡すもの | 中身 | これが無いと |
|---|---|---|
| ① 実装データ | 部品表(BOM)+部品座標データ(マウントデータ)+基板の製造データまたは外形図 | 見積の点数計算ができず、概算止まりになる |
| ② 部品の方針 | 全支給/一部支給/調達込み、のどれか。支給ならリール・トレイなど供給形態も | 部品費と調達期間が見積に入らない |
| ③ 数量と納期 | 今回の枚数+この先のリピート見込み | 段取り費の按分が決められず、単価が出ない |
この3点が最初のメールに揃っていれば、見積のやり取りはほぼ一往復で終わります。逆にどれかが「後で送ります」だと、その往復分だけ試作の完成日が後ろにずれます。
判断基準 — 部品は支給するか、調達まで任せるか
いちばん迷いやすいのが部品の扱いです。判断の軸は2つあります。
手間の軸 — 支給する場合、部品の購入・入荷確認・数量の照合・実装先への発送はすべて自分の仕事になります。数十点の部品表なら、この作業だけで数日分の手間です。調達込みで依頼すれば、その時間を設計に戻せます。
入手性の軸 — 社内に在庫がある部品、すでに購入済みの高価な部品、入手ルートが特殊な部品は支給が向きます。一方、汎用の抵抗・コンデンサ類は調達込みのほうが速いのが通例です。実務では「主要ICだけ支給、汎用部品は調達込み」の折衷が多く、その場合は部品表に支給/調達の列を1つ足して区別を明記します。
支給するときの注意を1つ。機械実装(マウンター)にかける部品は、バラ部品ではなくリールやテープのままの状態が基本です。切り離した短いテープやバラの部品は機械に供給できず、手載せ扱いで割増になることがあります。購入時に「カットテープではなくリールで」を意識しておくと、ここで詰まりません。
ケース別 — 依頼の形はこう変わる
試作数枚(動作確認が目的) — 速さ優先。基板製造と実装をまとめて1社に頼むと、基板とデータの整合をその会社の中で確認してもらえます。部品は調達込みにして、入手難の部品だけ代替可否を先に相談しておくと、部品待ちで止まりません。
小ロット(数十〜数百枚) — 単価と品質のバランスが主題になります。メタルマスク代や段取り費といった初期費が枚数に按分されるため、「今回の枚数」と「年間の見込み」を両方伝えると、実装側も按分の前提を立てやすくなります。検査の範囲(目視・AOI・通電確認のどこまでか)もこの段階で決めます。
リピート(同じ基板の再発注) — 前回の注文番号や基板名を伝えるだけで、データ照合の工程が省けます。変更が1つでもあるなら(部品の代替・基板の改版)、「前回と同じ、ただし〜」の形で差分だけを明記するのが、間違いがいちばん起きにくい伝え方です。
依頼時の伝え方 — そのまま使える整理テンプレ
最初の依頼メールに、次の7行を埋めて貼れば必要事項が揃います。
1. 基板名と改版記号(例: ○○制御基板 Rev.B)
2. 数量と希望納期(例: 10枚・○月○日希望/分納可否)
3. 基板: 支給 or 製造込み(支給なら到着予定日)
4. 部品: 全支給/一部支給/調達込み(一部支給ならBOMに区分列あり、と一言)
5. 添付データ: BOM・座標データ・製造データ(無いものは「無し」と明記)
6. 実装条件で気になる点(例: BGA 1点あり・リフロー不可の部品あり・基準マーク無し)
7. 検査の希望(例: 目視のみ/AOI希望/通電確認まで)
「無いものは無いと書く」のがコツです。座標データが無い場合でも、その旨が書いてあれば実装側は図面からの拾い出しなど代替手段を初回の返信で提案できます。空欄のまま送ると、確認の往復が1回増えるだけです。
関連用語
- BOM(部品表) — 型番・数量・リファレンス番号の一覧。実装依頼の中心データ
- マウントデータ(座標データ) — 各部品の搭載位置と角度のデータ
- 基準マーク(フィデューシャルマーク) — 機械が基板位置を認識するための目印
- 段取り費 — 品種切り替えにかかる固定費用。少量ほど単価に効く
監修:プリント基板センターPB 小澤
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