用語集

プリント基板に関連する用語を、五十音別で分類しています。

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メタルマスク

読み仮名: メタルマスク / 英語: Metal Mask, Solder Paste Stencil

メタルマスクとは、基板にはんだペーストを印刷するための、穴(開口)の開いた薄い金属板です。英語圏では「ステンシル」と呼ばれ、意味は同じです。表面実装のいちばん最初の工程で使われる、いわば「はんだの量と場所を決める版」で、基板の品種ごとに専用のものを1枚作ります。実装を外注したときの見積に「メタルマスク代」という初期費用が載るのは、このためです。

しくみ・工程 — 版画と同じ原理

使い方は版画のシルクスクリーンとよく似ています。基板の上にメタルマスクをぴったり重ね、その上にはんだペーストを置き、スキージというヘラで一定の圧力をかけながらなぞります。ペーストは開口に押し込まれ、マスクを持ち上げると、開口の形に切り取られたペーストが基板のパッド上に残ります。

置かれるはんだの量は「開口の面積 × マスクの厚み」で決まります。つまりマスクの設計そのものが、はんだ量の設計です。細かい部品には薄く小さく、大きな部品には厚くたっぷり——1枚の基板に両方が混在する場合は、部分的に厚みを変えた段付きマスク(ステップマスク)を使うこともあります。材質はステンレスが主流で、開口はレーザーで精密に切り抜くのが現在の標準的な作り方です。

実装品質を左右する理由 — 最初の工程は後から取り返せない

はんだ印刷が表面実装の品質を決める、と実装の現場で言われるのには理由があります。印刷で置かれたはんだの量は、後のどの工程でも増やせず減らせないからです。マウンターがどれだけ正確に部品を置いても、リフロー炉がどれだけ理想的な温度で焼いても、パッドの上のはんだが多すぎればブリッジに、少なすぎれば未はんだや接合不足になります。

だから量産の現場では、印刷直後にはんだの量や高さを検査する工程(はんだ印刷検査・SPI)を置き、不良の芽を炉に入れる前に摘みます。マスク自体の管理も品質の一部です。裏面に回り込んだペーストを放置すればにじみやブリッジの原因になるため定期的に清掃し、開口が摩耗すれば作り直します。

開発者の視点で覚えておきたいのは、メタルマスクが「基板の版下」に相当する存在だという点です。基板の設計を変更してパッドの位置や大きさが変われば、マスクも作り直しになります。試作で基板を何度か改版する予定があるなら、この作り直し費用も含めて計画すると、見積のずれがなくなります。

関連用語

開発者が楽になる一言

実装の相見積を取るとき、メタルマスク代が「初回のみ」なのか「改版のたびに必要」なのかを確認しておくと、試作を重ねたときの総額を読み違えません。同じ基板を同じ実装先でリピートするなら、作ったマスクは次回も使えるため、2回目以降の見積が軽くなります。実装先を固定するかどうかの判断材料の1つになります。

監修:プリント基板センターPB 小澤

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